山あいの村から世界へ
―ワカ製作所 麻績工場にみる“地域×先端ものづくり”―

長野県の中央部、松本市と長野市のほぼ中間に位置する麻績(おみ)村。人口約2,000人余りのこの小さな山間の村は、豊かな自然と歴史を色濃く残す地域です。
そのような地域において、世界最先端の通信インフラを支える製品が生まれている事実は、一見すると意外性に満ちている。しかし、この地に根差すワカ製作所麻績工場には、「地方だからこそ成り立つ高度なものづくり」の本質が詰まっている。
1.小さな村が担う、最先端技術の中核

ワカ製作所麻績工場は、高周波同軸コネクタの製造拠点である。これは5G通信、人工衛星、電子計測機器など、社会インフラの中枢を支える極めて重要な電子部品であり、JAXA(JAXA|宇宙航空研究開発機構)の宇宙開発分野でも使用されるなど、トップレベルの性能が求められる製品である。
同社はミリ波帯と呼ばれる超高周波領域での設計・加工技術を強みとしており、わずかな加工誤差が性能に影響する極めて精密な製造を行っている。
つまりこの工場は、単なる地方工場ではなく、「世界の通信品質を支える技術拠点」であると言える。
2.“手仕事の文化”が育む精密技術

麻績村の産業は、農業や林業といった第一次産業の比率が高い一方、古くから麻織や手工芸など、細やかな手仕事の文化が根付いてきた地域でもある。
ワカ製作所の製品は極小部品の手作業による組立が多く、ミクロン単位の精度が求められる。その作業は、単なる機械化では代替できず、熟練した「人の手」が不可欠だ。
実際に麻績工場では、地元の主婦を中心とする人材が製造現場の主力となっており、細やかで丁寧な作業能力が製品品質を支えている。
地域に根付いた生活と手仕事の感覚が、最先端技術と結びつく――これこそが、麻績工場の大きな特長である。
3.女性が活躍する“持続可能な工場”

麻績工場のもう一つの特筆点は、その働き方である。
従業員の多くは地元住民であり、特に女性の割合が非常に高い。工場は約80%が女性で構成される。
作業は空調の整った室内での座り作業が中心で、重労働や危険作業はほとんどない。さらに勤務形態も柔軟で、フルタイムとパートの切り替えが可能など、生活と仕事を両立しやすい環境が整っている。
これは、人口減少地域における重要なテーマである「働き続けられる雇用」を実現している点で、極めて意義深い。
単にモノを作るだけでなく、「地域で人が暮らし続けられる仕組み」を支えているのである。
4.地域社会との深い結びつき

麻績工場は、単なる製造拠点にとどまらず、地域社会との関係性を大切にしている。学校への備品寄贈や地域イベントへの協賛など、地元とのつながりを継続して築いてきた。
また、創業者のルーツがこの地にあることも、長年にわたり拠点を維持してきた背景にある。
人口規模の小さい村において、30人規模の雇用を維持する企業の存在は極めて大きい。地域にとっては「産業」そのものであり、同時に「生活基盤」でもある。
5.自然と共生する次世代工場

麻績村は豊かな自然に囲まれた中山間地域であり、環境との共生は避けて通れないテーマである。
ワカ製作所は省エネ設備や再生可能エネルギーの導入などを進め、CO₂排出削減にも積極的に取り組んでいる。
これは単なる企業活動ではなく、「自然に支えられている地域に立地する企業」としての責任を体現したものであり、持続可能な地域づくりにも寄与しています。
ぜひ一度、その現場を実際にご覧いただきたい。ワカ製作所麻績工場では、顧客皆様の訪問や工場見学を歓迎しています。
現場ならではの技術力とものづくりの魅力を直接体感して頂けると存じます。