0.5mm同軸コネクタに求められる寸法精度

技術部

当社では、250GHz超の高周波信号に対応する0.5mm同軸コネクタの開発を進めています。コネクタ同士が嵌合する部分の寸法については、現在、規格化に向けた検討が進められており、外部導体の内径をD、内部導体の外径をdとすると、以下の寸法が提案されています。
· D = 0.5000 ± 0.0025 mm、d = 0.2170 ± 0.0025 mm:Metrology Grade
· D = 0.5000 ± 0.0040 mm、d = 0.2170 ± 0.0040 mm:Instrument Grade
 
当社が既に製品化している0.8mm同軸コネクタでは、Dとdをそれぞれ、
· D = 0.801 ± 0.003 mm
· d = 0.348 ± 0.003 mm
と設定しています。
 
0.5mmと0.8mmの公差を比較すると、その差は一見するとそれほど大きくありません。近年のNC旋盤では、サブミクロンオーダーの位置決めや加工が可能な機械もあり、数値だけを見ると0.5mmコネクタの加工もそれほど難しくないように思えます。
 
しかし、実際の難しさは寸法公差だけではありません。特に重要なのが、内部導体の細さと長さの組み合わせです。
 
内部導体は、コネクタやアダプタの構造上、一定の長さが必要になります。例えばアダプタでは約11mmの長さが必要です。一般に、細長い部品ほど加工中のたわみや振れの影響を受けやすくなります。この細長さを表す目安の一つが、長さと径の比(L/D比)です。
 
内部導体のL/D比を比較すると、
· 0.5mmコネクタ:11 ÷ 0.217 ≒ 51
· 0.8mmコネクタ:11 ÷ 0.348 ≒ 32
となります。つまり、0.5mmコネクタの内部導体は、0.8mmコネクタに比べて約1.6倍大きなL/D比を持ちます。
 
このような細長い内部導体では、旋盤そのものの加工精度だけでなく、加工中のたわみや振れをいかに抑えるかが重要になります。そのため、ガイドブッシュや背面コレットなどの支持方法、切削条件、加工工程などを最適化し、安定した寸法精度を確保する必要があります。
 
さらに当社では、切削加工後だけでなく、メッキ処理後にも画像寸法測定を行うことで、重要寸法を全数確認し、Metrology Gradeの要求に対応できる品質保証体制の構築を検討しています。
 
このように、0.5mm同軸コネクタでは、単純に「加工機の精度が高ければ加工できる」というわけではありません。微細な寸法公差に加えて、細長い内部導体を安定して加工・保持する技術、そして加工後の寸法を確実に検証する測定技術が、高周波特性と製品品質を支える重要な要素となります。

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